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カムチャツカ⑥ 海のコリャーク、山のコリャーク 

更新日:2021年7月23日


 アンサンブル コリテフКОРИТЭВのプロデューサーのマリアさんから頼まれて、彼は私のために民族舞踊に関してのたくさんの資料やDVDを届けてくれた。マリアさんには一昨日のミリコヴォмильковоでのコンサートに同道させてもらった。このコンサートのことは別に記事を書く。

 

 ホテルのカフェで、シンガーでもあるアナトーリーさんはカムチャツカの先住民の歌と踊り、文化、神話・民話などに関して幅広く、またとても深い話を聞かせてくれた。


たとえばステージ上で観客にダンスを見せるという立場に立つと、どうしてもヴィジュアルなものやダンステクニックに走る。そうすると先住民の文化的な総体としての踊りを考える立場とはズレができる。つまり古来よりの伝統的な精神や生活の基盤から生まれる芸術、踊りとの乖離だ。この問題はあらゆる民族舞踊に共通の問題であろう。


カムチャツカにはコリャーク、イテリメン、エヴェン、チュクチなどの先住諸民族の歌と踊りのアンサンブルがあるが、多かれ少なかれこういう問題に直面しているらしい。極端にステージ化したダンスに対して、その道の「古老」たちは民族の魂を失うという危惧を抱いていると。


おもしろかったのはコリャーク人には海のコリャーク、山のコリャークがあり生活様式はもちろん、集団や個人の性格もかなり異なるという。具体的な例はともかく、総じて海の人間はおおらかで、山の人間はシャープということだった。

なにやら、古事記の海幸・山幸の話を思い出して興味深かった。


次回もアナトーリーさんの話をしたい。

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