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金本位制かマールボロ本位制か

更新日:5月12日



金本位制とマールボロ本位制

[2024.5.10}

2024年に入って金の価格が上がっている。

世界経済をめぐるドルとの覇権争いなど多くの要因があるのだろう。アメリカの金利との関係やETFの金保有高などとの関連もセオリー通りではなく、今回の金価格高騰には別の要因が作用しているとのことである。


なにせアメリカは金本位制ではないから、これまでドルを価値の裏付けもなしに好きなだけ刷って、それを世界にまき散らしている。

したがって、そう遠くない時期に基軸通貨としてのドルの地位は低下していくと予想するのが順当だろう。


そのためか中国、インド、ロシアなどの中央銀行では金の購入を加速させているともいう。また、中国やインドの民間の金需要も激増しているようだ。BRICS側の基軸通貨の流通にまだ時間がかかりそうなので、ドルに代わる価値を持つものとして金の需要は増さざるを得ない。


さてロシアネタが続いて恐縮だが、1990年代のロシアでは価値の下落の激しい通貨(ルーブル)より、場合によってタバコ(特にマールボロが代表格で好まれたようだった)のほうが喜ばれた。近距離のタクシー料金(白タクが多かった)、キオスクや市場でのちょっとした買い物などの支払いでは、よく「マールボロは持ってないか」と聞かれた。当時私は喫煙者だったので、この<マールボロ経済>にはすぐに慣れた。


また街では彼らにとっての洋モクであるマールボロをねだられることも何回かあった。

通勤客で混雑する夕方の地下鉄駅の入り口で若いエレガントな女性に、あるいは人の少ない早朝の雪の広場でサラリーマン風の男性にというようにだ。


このようなロシアの街の風景も2005、6年頃に訪れた時には見られなくなり、2015年ぐらいになると経済はすっかり大国のそれとなった。そして今では街はすごい好景気に沸いている、と西シベリアの油田の都市に住む友人は言っている。経済制裁をされているのはアメリカ、NATO,日本ということになる。


現在 金を重視しつつあるロシアは、もうマールボロ本位制にもどることもないだろう。


そういえば昨日5/9は対独戦勝記念日だった。3000万人ともいわれている戦没者を出しながらも侵略をはねのける人々だ。そういう国を分裂させようとしたり屈服させようと夢想したりすることは、いいかげんやめたらどうだろうか。



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